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今日の恵みを忘れないために

私のうつ消し本

「うつ消しごはん」なるものがあるそうで。ちなみに私はうつ病と診断されたことはありません。

でも、心と体が重くて、誰にも会いたくなくなり、ベッドから起きられなくなったり、眠れなかったり、自己否定感に苛まれ、わけもなく涙が出たり、消えたくなったり…ということが、今までに何度かありました。

程度も期間もまちまち、原因は…いろんなことが絡み合っていて特定できません。強いて言えば、働きすぎからの体調不良が引き金になることが多いです。

そこから立ち直ることができたきっかけも、もちろん一つではなく、いくつかの出来事の相互作用でした。

一番最初の抑うつ状態は10年前で、体が重くて起き上がれない、もちろん仕事も家事も何もできない、ごはんも食べたくない、お風呂も入らない、ベッドで泣いてばかりいました。

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             (ネットの借り物です💦)

そんな時、夫がアニメ「赤毛のアン」を見せてくれました。「テレビを見る気になんてなれない」という私を何やかんやとなだめて。初期「世界名作劇場」世代の私ですが、これは見たことがありませんでした。キャラクターがかわいくないという理由で(笑)。見始めてからもアンの甲高い声が耳障りで、何度も挫折しました。

でも、見続けていくとき、丁寧に描写される美しい風景、鳥の声や小川の音、ゆっくり流れる時間、登場人物たちの人間らしさに、心がやわらいでいくのを感じました。何話目か、マリラが忙しく家の事をしているシーンで、私の心に「私も何かしたい。」という思いが湧いてきました。

その時、思い立ってどんな家事をしたのか覚えていません。ずっと寝ていたので体力もなく、長続きはしなかったけど、その日を境に、少しずつ起きられるようになり、アニメを見るのはそれでやめてしまいました。

この十年間、何度か同じような状況に陥りましたが、いつも「赤毛のアン」の世界がひとつの助けになりました。アニメだけでは飽き足らず、本をそろえました。

本はアニメよりももっと詳細に美しい風景を描き、人々の日常の積み重ねで綴られていく人生を見せてくれます。自然を楽しむこと、家族が良いものであること、手作りの食べ物や着る物、詩を読んだり書いたりすること、つまりは生きることの喜びにあふれているのです。

フィクションなので、うまく行きすぎな部分もありますが、実際、人の世の営みは年月が経った今も、アンの時代も、それほど差はないように思えます。

心身ともに落ち込んでしまうと、聖書も読めず祈ることもできず、どんどん深みにはまってしまいます。そんなときは、すべてを投げ出して、「赤毛のアン」シリーズを手にベッドで休みます。何度もまどろんで、また起きてを繰り返し、一冊を読み終えるころには、休息できたことだけでなく、起きてお茶でも入れようかと思える自分に気づくでしょう。

God's in His heaven,
All's right with the world.

神は天にあり、
この世はすべてなにごともなし。

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できるだけ原作に忠実な翻訳をと、いろいろ比較してみて、著名な村岡花子訳ではなく、掛川恭子訳を選びました。

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